法人口座の代表者を変更するのは可能?その場合に必要なものは?
会社の代表取締役が交代したとき、法人口座の代表者変更が必要になります。登記の変更と銀行での名義変更の両方が必要で、手続きを怠ると過料や口座利用の停止といったリスクもあります。この記事では、代表者変更の手続きの流れ・必要書類・期限・主要銀行ごとの対応を解説します。
法人口座の代表者変更はどう進めるのか?
法人口座の代表者変更は可能です。代表取締役が交代した場合、銀行口座の代表者情報も新しい代表者に変更する必要があります。手続きは「法務局での登記変更」→「銀行での名義変更」の順で進めます。
まず法務局で代表者変更の登記を完了させ、その後で各銀行の名義変更手続きを行います。登記が済んでいないと銀行での手続きは進められません。
代表者変更が必要になるケース
- 代表取締役が交代した場合
- 代表取締役の氏名が変更になった場合(結婚・改名など)
- 代表取締役の住所が変更になった場合
- 会社の商号(社名)が変更になった場合
- 本店所在地が変更になった場合
法務局での登記変更に必要な書類
銀行手続きの前に、法務局で代表者変更の登記を行います。この登記は変更が生じてから2週間以内に行う必要があります(会社法915条1項)。
- 変更登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録(取締役会設置会社の場合)
- 就任承諾書
- 辞任届(前任者が辞任する場合)
- 印鑑証明書
出典:法務省「会社法」・法務局「商業・法人登記の申請書様式」
銀行での名義変更に必要な書類
登記変更が完了したら、各銀行で名義変更手続きを行います。銀行ごとに必要書類や手続き方法が異なるため、事前に確認してください。
| 書類 | 詳細 |
|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | 発行から6ヶ月以内の原本 |
| 印鑑証明書 | 新代表者の印鑑証明書(発行から6ヶ月以内) |
| 通帳・証書 | 該当するすべての口座分 |
| 届出印 | 現在登録している印鑑 |
| 本人確認書類 | 来店者の運転免許証など |
| 社判・ゴム印 | 使用している場合 |
手続きの流れ
- 法務局で代表者変更の登記を行う
- 履歴事項全部証明書を取得する
- 必要書類を準備する
- 銀行に連絡して手続きの予約を取る
- 銀行で名義変更手続きを行う
- 新しい通帳・キャッシュカードを受け取る
複数の銀行で法人口座を持っている場合は、各銀行で個別に手続きが必要です。履歴事項全部証明書などは多めに取得しておくと効率的です。
主要銀行ごとの手続き内容
みずほ銀行
来店での手続きが基本で、以下の書類が必要です。
- お届け印
- 社印・ゴム印
- 通帳・証書
- 登記事項証明書
- 来店者の本人確認書類
- 当該法人に在籍していることが確認できる書類
三井住友銀行
法人向けインターネットバンキング「ValueDoor」を契約している場合は、ログイン後に変更内容を入力し、必要書類を郵送することで手続きができる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。
三菱UFJ銀行
以下の書類を準備して手続きします。
- 通帳(すべての口座)
- 届出印(すべての口座の印鑑)
- 新しい代表者の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(発行から6ヶ月以内)
- 実印(当座預金・融資取引がある場合)
各行の必要書類・手続き方法は変更される場合があります。手続き前に必ず取引銀行の公式サイトまたは窓口で最新の案内をご確認ください。
手続きを怠るとどうなるのか?
登記変更を怠った場合
変更が生じてから2週間以内に登記変更を行わなかった場合、代表者個人に対して100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法976条)。期限を過ぎても登記自体は受理されますが、過料のリスクがあるため速やかに行ってください。
出典:法務省「会社法」(第915条・第976条)
銀行手続きを怠った場合
- 口座の利用が停止される可能性がある
- 振込や引き落としが停止される可能性がある
- 新規融資の申し込みができない場合がある
- 取引先との契約に影響が出る可能性がある
- 許認可の更新に影響が出る場合がある
手続きを円滑に進めるためのポイント
- 複数の銀行で口座を持っている場合は、すべての銀行で手続きが必要
- 履歴事項全部証明書・印鑑証明書は発行から6ヶ月以内のものを使う
- 銀行によって手続き内容が異なるため、事前に確認する
- 手続きには時間がかかる場合があるため、余裕を持って準備する
| 項目 | 目安・注意点 |
|---|---|
| 書類の有効期限 | 多くの書類は発行から6ヶ月以内 |
| 手続き期間 | 銀行により1〜2週間程度 |
| 来店の必要性 | 多くの場合、銀行への来店が必要 |
| 手数料 | 銀行により異なる(無料の場合もある) |
代表者変更手続き中は、一時的に口座の利用が制限される場合があります。給与の支払いや重要な取引がある場合は、事前にスケジュールを調整しておきましょう。
まとめ
法人口座の代表者変更は、法務局での登記変更と銀行での名義変更の両方が必要な手続きです。
- 「登記変更 → 銀行の名義変更」の順で進める
- 登記変更は変更が生じてから2週間以内(過料のリスクあり)
- 履歴事項全部証明書・印鑑証明書は6ヶ月以内のものを準備する
- 銀行ごとに必要書類が異なるため事前確認が必須
- 複数口座がある場合はすべての銀行で手続きする
不明な点があれば、各銀行の窓口や司法書士などの専門家に相談するとスムーズに進められます。
次は二つ目の法人口座におすすめの銀行を確認する
代表者変更を機に、用途別の使い分けやリスク分散のために二つ目の法人口座を検討する経営者も増えています。二つ目の口座におすすめの銀行を、以下の記事でまとめています。
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本記事の情報は2026年6月時点のものです。各銀行の手続き・必要書類は変更される場合があります。最新情報は取引銀行および専門家にご確認ください。

