法人口座の売買をしては いけない、持ちかけら れても即刻断るべき理由
法人口座の売買は重大な犯罪行為です。近年、SNSを通じた勧誘が増えていますが、これらはすべて違法であり、関与すると刑事罰を受ける可能性があります。この記事では、法人口座の売買がなぜ違法なのか、どんな刑罰があるのか、勧誘を受けたときの対処法を解説します。
「使っていない口座を売るだけ」「お金に困っていた」という理由は通用しません。売った側も買った側も処罰の対象です。少しでも不審な勧誘を受けたら、絶対に応じないでください。
法人口座の売買は犯罪収益移転防止法違反
法人口座の売買は、犯罪収益移転防止法(犯収法)に違反する犯罪です。自分名義の口座であっても、第三者に有償で譲り渡せば処罰の対象になります。法人口座も個人口座と同様に規制されます。
口座を売った側(譲渡)も、買った側(譲り受け)も、両方が処罰されます。「知らなかった」「生活費に困っていた」といった理由は、基本的に通用しません。
法人口座売買の刑事罰
犯罪収益移転防止法第28条により、次の刑罰が定められています。
| 行為 | 刑罰 | 根拠 |
|---|---|---|
| 口座の譲渡・譲り受け(売買) | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり) | 犯収法28条1項・2項 |
| 業として(反復的に)行う口座売買 | 3年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり) | 犯収法28条3項 |
| 売買の勧誘・誘引(SNS等での募集) | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり) | 犯収法28条4項 |
| 譲渡目的を隠した口座開設 | 詐欺罪:10年以下の懲役(罰金の定めなし) | 刑法246条 |
出典:犯罪による収益の移転防止に関する法律 第28条(e-Gov法令検索)
法人口座がマネーロンダリングに悪用される危険性
法人口座は個人口座よりも高額な取引が可能なため、マネーロンダリング(資金洗浄)や特殊詐欺の標的になりやすく、犯罪組織に悪用される危険性が高いとされています。
法人口座が悪用される理由
- 高額取引を隠しやすい:個人口座より大きな金額の移動が可能
- 企業間取引を装いやすい:正当な商取引に見せかけられる
- 発覚が遅れやすい:複雑な取引構造で追跡が難しい
- 複数口座で分散できる:資金を複数の法人口座に分けて隠す
SNSでの勧誘手口と断るべき理由
近年、SNSを通じた法人口座売買の勧誘が増えています。これらの勧誘は巧妙で、経済的に困っている人を狙う手口が多く見られます。
典型的な勧誘の文言
次のような誘い文句は、すべて口座売買への勧誘の可能性があります。絶対に応じないでください。
・「使っていない法人口座を高値で買い取ります」
・「簡単に副収入が得られます」
・「数十万円で口座を譲ってください」
・「合法的な資金移動のお手伝い」
関与した場合のリスク
| リスク | 具体的な影響 |
|---|---|
| 刑事処罰 | 前科がつき、社会復帰が困難になる |
| 民事責任 | 詐欺被害者から損害賠償を請求される可能性 |
| 社会的信用の失墜 | 就職・融資・各種契約で不利になる |
| 口座の凍結 | 金融機関での新規口座開設が困難になる |
勧誘を受けたときの対処法
- 即座に断る:「違法行為には一切関与しません」と明確に拒否する
- 証拠を保存する:勧誘メッセージのスクリーンショットを保存する
- 警察に相談する:最寄りの警察署や警察相談専用電話に相談する
- 相手をブロックする:勧誘者との連絡を遮断する
- 周囲に注意喚起する:家族や従業員に危険性を伝える
法人口座売買の勧誘を受けたら、ためらわず相談してください。
・警察相談専用電話:#9110
・金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811
・最寄りの警察署
法人口座を適切に管理するために
法人口座は会社の重要な資産です。意図せず犯罪に巻き込まれないためにも、適切な管理が経営者の責務です。
- 複数人で管理する:口座情報を一人で抱えず、チェック体制をつくる
- 定期的に残高を確認する:不正な入出金がないか確認する
- 取引記録を保存する:すべての取引について記録を残す
- 従業員に教育する:口座売買の違法性を社内で周知する
- セキュリティを強化する:インターネットバンキングの対策を徹底する
まとめ
法人口座の売買は、絶対に行ってはいけない重大な犯罪行為です。一時的な金銭的利益のために関与すると、前科がつき、その後の人生に深刻な影響を及ぼします。
- 口座売買は犯罪収益移転防止法違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)
- 業として行えば3年以下の懲役、勧誘・募集だけでも処罰される
- 譲渡目的を隠した口座開設は詐欺罪(10年以下の懲役)に問われることもある
- 売る側も買う側も処罰され、「知らなかった」は通用しない
- SNSでの勧誘が増加中。少しでも怪しい話は警察に相談する
どんな理由があっても、法人口座の売買には絶対に関与しないでください。
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本記事の法令・刑罰の情報は2026年6月時点のものです。法令は改正される場合があります。個別の法的判断については、弁護士や警察など専門の窓口にご相談ください。

