給与振込可能な法人口座は?また法人口座に給与振込は可能?

法人口座での給与振込は、会社が従業員に給料を支払う際の重要な手段です。この記事では、法人口座から給与振込が可能かどうか、どの銀行がおすすめか、手数料の違いなどについて、中学生でも分かりやすく詳しく解説します。
法人口座に給与振込は可能?基本的な仕組み
結論から言うと、法人口座から給与振込は可能です。多くの銀行で法人向けの給与振込サービスを提供しており、会社が従業員に給料を支払う際に利用できます。
給与振込の基本的な条件
給与振込を行うためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 従業員の同意:労働基準法により、給与振込には従業員の同意が必要です
- 本人名義の口座:給与は必ず従業員本人の名義の口座に振り込む必要があります
- 普通預金または当座預金:受取口座は普通預金か当座預金である必要があります
- 銀行との契約:法人口座を持つ銀行と給与振込サービスの契約が必要です
会社は従業員に対して特定の銀行を一方的に指定することはできません。厚生労働省の通達により、複数の銀行から選択できるようにするなど、労働者の便宜を図る必要があります。
給与振込と総合振込の違い
法人口座から振り込みを行う際、「給与振込」と「総合振込」という2つのサービスがあります。この違いを理解することが重要です。
項目 | 給与振込 | 総合振込 |
---|---|---|
振込手数料 | 総合振込より安い | 給与振込より高い |
データ登録時限 | 2~3営業日前 | 前営業日~2営業日前 |
用途 | 給与・賞与の支払い限定 | 一般的な支払い全般 |
振込明細表示 | 「給与」「賞与」と表示 | 会社名等が表示 |
給与振込の特徴
給与振込は総合振込よりも手数料が安く設定されていることが多く、通常は数分の1程度の手数料となります。また、従業員の口座には「給与」や「賞与」と明確に表示されるため、受取側にとっても分かりやすいサービスです。
賞与振込の仕組みと条件
賞与振込は給与振込と同じサービスの一部として提供されています。多くの銀行で「給与・賞与振込」としてまとめて扱われており、基本的な条件や手数料は給与振込と同じです。
賞与振込の特徴
- 年2回程度の利用:夏季・冬季賞与の支払いに利用
- 給与振込と同じ手数料:特別な追加料金はかからない
- 振込明細に「賞与」表示:従業員の口座に「賞与」と表示される
- 一括処理が可能:複数の従業員への賞与を一度に処理できる
給与・賞与の振込手数料を差し引くことは、労働基準法第24条の「賃金全額払いの原則」に違反するので、給与振込の際に、振込手数料を差し引くことはできません。
法人口座での給与振込が可能な銀行の種類
法人口座での給与振込は、ほぼすべての銀行で利用可能です。ただし、手数料やサービス内容には違いがあります。
メガバンク(都市銀行)
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3大メガバンクは、充実した給与振込サービスを提供しています。
- 信頼性が高い:システムの安定性と信頼性
- 全国対応:全国どこでも利用可能
- 豊富な機能:インターネットバンキングでの管理機能が充実
- 手数料は比較的高め:ネット銀行と比べて手数料が高い傾向
ネット銀行
楽天銀行、住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行などのネット銀行も給与振込サービスを提供しています。
- 手数料が安い:メガバンクより振込手数料が安い
- 24時間対応:インターネット上で24時間操作可能
- スピーディー:口座開設から利用開始まで早い
- 窓口がない:対面でのサポートは受けられない
地方銀行・信用金庫
地域密着型の金融機関も給与振込サービスを提供しており、地域の企業にとって身近な存在です。
給与振込を行う銀行を選ぶ際は、手数料の安さ、システムの使いやすさ、従業員が口座を持ちやすい銀行かどうかを総合的に判断することが重要です。
給与振込の手数料比較
給与振込にかかる手数料は銀行によって大きく異なります。ネット銀行の方がメガバンクより手数料が安い傾向があります。
手数料の種類
- 初期費用:サービス開始時の設定料
- 月額基本料:毎月の利用料
- 振込手数料:1件あたりの振込料金
- データ伝送料:振込データの送信料
手数料の目安
銀行種別 | 同行宛振込 | 他行宛振込 | 月額基本料 |
---|---|---|---|
メガバンク | 無料~110円 | 220円~330円 | 1,000円~3,000円 |
ネット銀行 | 無料 | 145円~160円 | 無料~500円 |
地方銀行 | 無料~110円 | 220円~440円 | 1,000円~2,000円 |
給与振込サービスの利用方法
給与振込サービスを利用するには、以下の手順で進める必要があります。
利用開始までの流れ
- 法人口座開設:まず法人口座を開設する
- 給与振込サービス申込:インターネットバンキングまたは窓口で申し込む
- 従業員情報登録:従業員の振込先口座情報を登録
- 振込データ作成:毎月の給与額などのデータを作成
- 振込実行:指定日に自動で振込が実行される
必要な書類
- 法人の登記簿謄本
- 代表者の本人確認書類
- 従業員の同意書
- 振込先口座の届出書
注意点とトラブル対処法
給与振込を行う際の注意点と、よくあるトラブルの対処法について説明します。
よくある注意点
- 振込期限:給与振込は総合振込より早めの期限設定
- 資金準備:振込指定日の前営業日までに資金を準備
- 口座確認:従業員の口座情報に間違いがないか確認
- システムメンテナンス:銀行のシステムメンテナンス時間に注意
トラブル対処法
口座番号の間違いや口座凍結などで振込エラーが発生した場合は、速やかに銀行に連絡し、従業員への連絡も忘れずに行いましょう。多くの銀行では振込不能金額の処理方法を定めています。
まとめ
法人口座での給与振込は十分可能であり、多くの銀行でサービスを提供しています。給与振込は総合振込より手数料が安く、従業員にとっても分かりやすい表示となるため、企業にとってメリットの大きいサービスです。
銀行選択の際は、手数料の安さだけでなく、システムの使いやすさや従業員の利便性も考慮して総合的に判断することが重要です。ネット銀行は手数料が安い一方で、メガバンクは信頼性とサポート体制に優れているという特徴があります。
給与振込サービスを導入する際は、従業員の同意を得ることを忘れずに、適切な手続きを行って利用しましょう。