法人口座の代表者を変更するのは可能?その場合に必要なものは?

法人口座の代表者変更は、会社の経営者が交代した際に必要となる重要な手続きです。代表取締役が変わった場合、銀行口座の名義も変更しなければなりません。この記事では、法人口座の代表者変更の手続き方法、必要書類、期限、そして手続きを怠った場合のリスクについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
法人口座の代表者変更は可能?
法人口座の代表者変更は可能です。会社の代表取締役が交代した場合、銀行口座の名義人も新しい代表者に変更する必要があります。これは法律上の義務でもあり、放置すると様々な問題が発生する可能性があります。
法人口座の代表者変更は、登記変更と銀行での手続きの両方が必要です。まず法務局で代表者変更の登記を行い、その後各銀行で口座の名義変更手続きを行います。
代表者変更が必要なケース
以下のような場合に、法人口座の代表者変更手続きが必要になります。
- 代表取締役が交代した場合
- 代表取締役の氏名が変更になった場合(結婚や改名など)
- 代表取締役の住所が変更になった場合
- 会社の商号(社名)が変更になった場合
- 本店所在地が変更になった場合
必要な書類と手続きの流れ
法務局での登記変更手続き
まず、法務局で代表者変更の登記を行う必要があります。この手続きは代表者変更の効力が発生してから2週間以内に行わなければなりません。
登記変更に必要な書類
- 変更登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録(取締役会設置会社の場合)
- 就任承諾書
- 辞任届(前任者が辞任する場合)
- 印鑑証明書
銀行での名義変更手続き
登記変更が完了したら、次に各銀行で口座の名義変更手続きを行います。銀行ごとに手続きが異なるため、事前に確認することが大切です。
一般的に必要な書類
書類名 | 詳細 |
---|---|
履歴事項全部証明書(登記事項証明書) | 発行から6ヶ月以内の原本 |
印鑑証明書 | 新代表者の印鑑証明書(発行から6ヶ月以内) |
通帳・証書 | 該当するすべての口座の通帳 |
届出印 | 現在登録している印鑑 |
本人確認書類 | 来店者の運転免許証など |
社判・ゴム印 | 使用している場合 |
手続きの流れ
- 法務局で代表者変更の登記を行う
- 履歴事項全部証明書を取得する
- 必要書類を準備する
- 銀行に連絡して手続きの予約を取る
- 銀行で名義変更手続きを行う
- 新しい通帳・キャッシュカードを受け取る
主要銀行の手続き内容
みずほ銀行
- お届け印
- 社印・ゴム印
- 通帳・証書
- 登記事項証明書
- 来店者の本人確認書類
- 当該法人に在籍していることが確認できる書類
三井住友銀行
ValueDoorをご契約の場合は、ログイン後に変更内容を入力し、必要書類を郵送することで手続きが可能です。
三菱UFJ銀行
- 通帳(すべての口座)
- 届出印(すべての口座の印鑑)
- 新しい代表者の印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書(発行から6ヶ月以内)
- 実印(当座預金・融資取引がある場合)
手続きを怠った場合のリスク
登記変更を怠った場合
代表者変更の効力が発生してから2週間以内に登記変更を行わなかった場合、100万円以下の過料が科せられる可能性があります。
2週間の期限を過ぎても登記は受理されますが、期限内に変更登記を行わなかった場合は会社の代表者に対して100万円以下の罰金(過料)が科せられます。
出典:マネーフォワード ビズペイ
銀行手続きを怠った場合
- 口座の利用停止
- 振込や引き落としの停止
- 新規融資の申し込みができない
- 取引先との契約に影響が出る可能性
- 許認可の更新に影響が出る場合がある
手続きを円滑に進めるためのポイント
事前準備
- 複数の銀行で口座を持っている場合は、すべての銀行で手続きが必要
- 必要書類は有効期限があるため、計画的に取得する
- 銀行によって手続き内容が異なるため、事前に確認する
- 手続きには時間がかかる場合があるため、余裕を持って準備する
注意点
代表者変更手続き中は、一時的に口座の利用が制限される場合があります。給与の支払いや重要な取引がある場合は、事前にスケジュールを調整しましょう。
項目 | 注意点 |
---|---|
書類の有効期限 | 多くの書類は発行から6ヶ月以内 |
手続き期間 | 銀行により1週間~2週間程度 |
来店の必要性 | 多くの場合、銀行への来店が必要 |
手数料 | 銀行により異なる(無料の場合もある) |
まとめ
法人口座の代表者変更は、会社の代表取締役が交代した際に必要となる重要な手続きです。まず法務局で登記変更を行い、その後各銀行で口座の名義変更手続きを行います。
手続きには履歴事項全部証明書や印鑑証明書などの書類が必要で、これらの書類には有効期限があるため注意が必要です。また、登記変更は2週間以内に行わなければ過料が科せられる可能性があります。
銀行によって手続き内容が異なるため、事前に確認して準備することが大切です。手続きを怠ると口座の利用停止や取引への影響が出る可能性があるため、速やかに手続きを行いましょう。
法人口座の代表者変更は複雑な手続きですが、適切に準備すれば問題なく完了できます。不明な点がある場合は、各銀行の窓口や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。