法人口座を開設すると月額基本料はかかる?毎月の維持費を徹底解説
会社を設立したばかりの方や、これから法人口座の開設を考えている方にとって、「月額基本料はかかるの?」「毎月どのくらいの維持費が必要なの?」という疑問は非常に重要です。個人口座とは異なり、法人口座には様々な費用がかかる場合があります。この記事では、法人口座の月額基本料や維持費について、中学生でも理解できるようにわかりやすく解説していきます。
法人口座の月額基本料とは?基本的な仕組みを知ろう
まず知っておきたいのは、法人口座は開設するだけでは基本的に費用はかかりません。多くの銀行では、口座の開設自体は無料で行うことができます。
では、なぜ「月額基本料がかかる」という話を聞くのでしょうか?それは、インターネットバンキングなどの有料サービスを利用する際に費用が発生するからです。つまり、法人口座そのものではなく、便利なサービスを使うときにお金がかかるという仕組みになっています。
月額基本料が発生する主なサービス
法人口座で月額基本料が発生する代表的なサービスには、以下のようなものがあります。
- インターネットバンキングサービス(オンラインで振込や残高確認ができるサービス)
- 外為サービス(海外との取引に使うサービス)
- 振込手数料割安プラン(振込手数料を安くするための月額プラン)
- 総合・一括・給与振込サービス(従業員への給与をまとめて振り込むサービス)
- 紙の通帳や明細書の発行サービス
これらのサービスを利用する場合に、月額の基本料金が必要になることがあります。
法人口座の維持費は毎月いくらかかる?
法人口座の維持費は、利用する銀行の種類やサービス内容によって大きく異なります。一般的には、毎月約3,000円から15,000円程度の費用がかかると考えておくとよいでしょう。
銀行の種類別の維持費目安
銀行の種類によって、月額基本料や各種手数料は大きく異なります。以下の表で比較してみましょう。
| 銀行の種類 | インターネットバンキング月額料 | 他行宛て振込手数料(1件) | 月々の維持費目安 |
|---|---|---|---|
| ネット銀行 | 無料 | 145円~300円 | 約2,900円~6,000円 |
| 都市銀行(メガバンク) | 1,000円~4,000円 | 500円~700円 | 約11,000円~18,000円 |
| 地方銀行 | 1,000円~3,000円 | 500円~600円 | 約11,000円~15,000円 |
| 信用金庫 | 1,000円~3,000円 | 200円~500円 | 約5,000円~13,000円 |
この表からわかるように、ネット銀行が最も維持費を抑えやすいという特徴があります。
維持費の計算方法は「月額サービス利用料+1件ごとのサービス利用料」で決まります。例えば、インターネットバンキングの月額料金が無料でも、振込を20回行えば、振込手数料×20回分の費用がかかることになります。
主要銀行の月額基本料と維持費を比較
実際の銀行を例に、月額基本料と維持費を見ていきましょう。2025年10月現在の最新情報をもとにご紹介します。
ネット銀行の月額基本料
ネット銀行は、店舗を持たずにインターネット上でサービスを提供しているため、維持費が非常に安いのが特徴です。
| 銀行名 | 口座維持費 | インターネットバンキング月額料 | 同行宛て振込手数料 | 他行宛て振込手数料 |
|---|---|---|---|---|
| GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 無料 | 無料 | 145円 |
| 住信SBIネット銀行 | 無料 | 無料 | 無料 | 130円~145円 |
| 三井住友銀行 Trunk | 無料 | 無料 | 無料 | 145円 |
| 楽天銀行 | 無料 | 無料 | 52円 | 150円~229円 |
| PayPay銀行 | 無料 | 無料 | 55円 | 160円 |
メガバンク(都市銀行)の月額基本料
メガバンクは信頼性が高く、全国に支店がある一方で、維持費は高めに設定されています。
| 銀行名 | 口座維持費(月額) | インターネットバンキング月額料 | 同行宛て振込手数料 | 他行宛て振込手数料 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 1,760円 | 含まれる | 110円~330円 | 484円~660円 |
| みずほ銀行 | 3,300円 | 含まれる | 490円~660円 | 490円~660円 |
| 三井住友銀行(通常口座) | 3,300円 | 含まれる | 330円 | 605円 |
三菱UFJ銀行のBizSTATIONネットバンキングは、月額1,760円(税込)で利用できます。最初の3ヵ月は無料期間が設けられています。
出典:三菱UFJ銀行公式サイト
地方銀行・信用金庫の月額基本料
| 金融機関名 | 口座維持費(月額) | インターネットバンキング月額料 | 他行宛て振込手数料 |
|---|---|---|---|
| ゆうちょ銀行 | 550円 | スタンダードプラン:540円 | 165円 |
| 北洋銀行 | 1,320円 | 含まれる | 550円 |
| 福岡銀行 | 1,320円 | 含まれる | 220円~770円 |
| 東京信用金庫 | 1,100円 | 含まれる | 385円~660円 |
法人口座の維持費を安く抑える5つの方法
法人口座の維持費は、工夫次第で大きく削減することができます。ここでは、実践しやすい5つの方法をご紹介します。
1. ネット銀行を選ぶ
最も効果的な方法は、ネット銀行で法人口座を開設することです。前述の通り、ネット銀行は店舗や専用ATMを持たないため、その分のコストを削減でき、利用者に安い料金でサービスを提供できます。
特に設立したばかりの会社や、できるだけ経費を抑えたい会社には、ネット銀行が最適です。
2. 複数の口座を用途別に使い分ける
複数の法人口座を開設し、用途別に使い分けることで維持費を抑えることができます。
口座1:取引先からの入金用(信頼性の高い都市銀行)
口座2:日常の振込用(振込手数料が安いネット銀行)
口座3:海外送金用(海外送金手数料が安いネット銀行)
このように使い分けることで、それぞれの銀行の強みを活かしながら、全体のコストを削減できます。
3. 同行宛ての振込を活用する
多くの銀行では、同じ銀行同士の振込は手数料が無料または格安に設定されています。主要な取引先が使っている銀行を確認し、同じ銀行で口座を開設すると振込手数料を大幅に削減できます。
4. 無料キャンペーンを活用する
多くの銀行では、新規開設時に期間限定の無料キャンペーンを実施しています。
- GMOあおぞらネット銀行:設立1年未満の会社は12ヶ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料
- 住信SBIネット銀行:最初の2ヶ月間は各種手数料が無料
- 三井住友銀行 Trunk:口座開設月を含む3か月間、振込手数料還元キャンペーン実施中(2025年12月31日まで)
これらのキャンペーンを上手に活用することで、開設初期のコストを大幅に抑えることができます。
5. 不要なサービスは解約する
月額サービスは利用していなくても料金が発生します。定期的に利用状況を見直し、使っていないサービスは解約することが大切です。
- 紙の通帳や明細書の発行サービス(オンラインで確認できれば不要)
- 使っていない外為サービス
- 複数の銀行で重複しているインターネットバンキングサービス
維持費無料のおすすめネット銀行3選
最後に、月額基本料が無料で維持費を抑えやすい、おすすめのネット銀行を3つご紹介します。
GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行は、最短即日で口座開設が可能なネット銀行です。
- 口座維持費:無料
- インターネットバンキング:無料
- 同行宛て振込手数料:無料
- 他行宛て振込手数料:145円
- 社会保険料の口座振替に対応(2024年4月から)
- 設立1年未満の会社は12ヶ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、セキュリティ機能が高く、アプリで簡単に管理できるネット銀行です。
- 口座維持費:無料
- インターネットバンキング:無料
- 同行宛て振込手数料:無料
- 他行宛て振込手数料:130円~145円
- 最短翌営業日に口座開設可能
- ワンタイムパスワード・生体認証を使用した強固なセキュリティ
三井住友銀行 法人ネット口座 Trunk
三井住友銀行のTrunkは、メガバンクの信頼性とネット銀行の低コストを両立した法人口座です。
- 口座維持費:無料
- インターネットバンキング:無料
- 同行宛て振込手数料:無料
- 他行宛て振込手数料:145円
- 最短翌営業日に口座開設可能
- 三井住友銀行の口座数は約3,000万口座で、同行間取引がお得
- 振込手数料還元キャンペーン実施中(2025年12月31日まで)
まとめ:法人口座の月額基本料と維持費について
法人口座の月額基本料と維持費について、重要なポイントをまとめます。
- 法人口座は開設するだけでは基本的に費用はかかりません
- 月額基本料が発生するのは、インターネットバンキングなどの有料サービスを利用する場合です
- 法人口座の維持費は、銀行の種類によって大きく異なり、月々約3,000円~15,000円が目安です
- ネット銀行は月額基本料が無料で、振込手数料も安いため、維持費を最も抑えやすいです
- メガバンクは月額1,760円~3,300円の維持費がかかりますが、信頼性と充実したサービスが魅力です
- 複数口座の使い分けや、無料キャンペーンの活用で維持費を削減できます
会社の規模や利用目的に応じて、最適な銀行を選ぶことが大切です。設立したばかりの会社や、できるだけコストを抑えたい場合は、月額基本料が無料のネット銀行から始めてみることをおすすめします。銀行選びは会社の経営に大きく影響しますので、この記事を参考に、自社に最適な法人口座を見つけてください。

