法人口座開設にデメリットってある?メリットとの比較も
会社を設立したら法人口座を開設する必要があるのか、デメリットはないのか気になりますよね。実は法人口座にはデメリットも存在しますが、それ以上に大きなメリットがあります。この記事では、法人口座のメリットとデメリットを表形式で分かりやすく比較し、中学生でも理解できるように解説します。会社経営を始めたばかりの方や、これから起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
法人口座とは?個人口座との違いを知ろう
法人口座とは、会社名義で開設する銀行口座のことです。個人名義で作る普通の口座とは異なり、事業のお金を管理するために使います。
まずは、法人口座と個人口座の基本的な違いを表で確認しましょう。
| 項目 | 法人口座 | 個人口座 |
|---|---|---|
| 名義人 | 会社名・法人名 | 個人の氏名 |
| 開設の目的 | 事業活動のための資金管理 | 個人の生活や貯蓄のため |
| 審査の厳しさ | 厳しい(書類多数・面談あり) | 比較的簡単 |
| 開設にかかる期間 | 2週間~1ヶ月程度 | 即日~2週間程度 |
| 維持費用 | 月額3,000~15,000円程度 | 基本的に無料~数百円 |
このように、法人口座は個人口座と比べて開設までの手間や費用がかかります。しかし、会社を運営していく上では法人口座の開設が非常に重要になります。
法人口座開設の6つのデメリット
法人口座を開設することには、いくつかのデメリットがあります。事前に知っておくことで、準備がスムーズになります。
デメリット①:開設の審査が厳しく時間がかかる
法人口座の開設審査は、個人口座よりもはるかに厳しくなっています。これは、口座の不正利用やマネーロンダリング(犯罪資金の洗浄)を防ぐためです。
国際的にテロ資金対策やマネーロンダリング防止が強化されており、金融機関には厳格な審査が求められています。そのため、事業の実態や信頼性を細かくチェックされます。
審査にかかる期間は、一般的に2週間から1ヶ月程度です。必要書類も多く、以下のような書類の提出が求められます。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 法人の印鑑証明書
- 代表者の本人確認書類
- 事業内容が分かる資料(会社案内・パンフレットなど)
- 事業実態を証明する書類(契約書・請求書など)
- 法人設立届出書のコピー
- 許認可証(必要な業種の場合)
デメリット②:維持費用が個人口座より高い
法人口座は、個人口座と違って毎月の維持費用がかかります。具体的には以下のような費用が発生します。
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| インターネットバンキング月額利用料 | 無料~3,300円程度 |
| 振込手数料(他行宛) | 145円~660円程度 |
| 振込手数料(同行宛) | 無料~330円程度 |
| ATM利用手数料 | 無料~220円程度 |
| 口座維持手数料 | 無料~月額数千円 |
一般的な使用状況では、月額3,000円~15,000円程度のコストがかかると考えておくとよいでしょう。ただし、ネット銀行を選ぶことで、これらの費用を大幅に抑えることができます。
デメリット③:審査に落ちる可能性がある
個人口座はほとんどの場合開設できますが、法人口座は審査に落ちることもあります。以下のような理由で断られるケースがあります。
- 事業内容が不明瞭である
- 資本金が少なすぎる
- 本店住所がバーチャルオフィスやレンタルオフィス
- 事業実態が確認できない
- 代表者個人の信用情報に問題がある
- 提出書類に不備や不足がある
デメリット④:窓口での相談に時間がかかる
メガバンクや地方銀行で法人口座を開設する場合、窓口での手続きに時間がかかります。営業時間内に銀行に行く必要があり、混雑時には長時間待たされることもあります。
デメリット⑤:複数の銀行口座を管理する手間
事業が拡大すると、複数の銀行に法人口座を開設することも増えてきます。そうなると、それぞれの口座の残高管理や振込手続きが複雑になります。
デメリット⑥:一部のサービスで法人口座が使えない
ネット銀行の中には、法人税のダイレクト納付や社会保険料の口座振替に対応していない銀行もあります。税金や保険料の支払い方法を事前に確認しておく必要があります。
法人口座開設の8つのメリット
デメリットを理解した上で、次は法人口座のメリットを見ていきましょう。デメリットを大きく上回る利点があります。
メリット①:社会的な信用度が大幅に向上する
法人口座を持っていることは、金融機関の審査を通過した証明になります。取引先や顧客からの信頼が高まり、ビジネスチャンスが広がります。
「法人口座を持っていないことを理由に、大企業と公共団体から取引を断られてしまった」
このように、法人口座がないと重要な取引ができないケースもあります。
メリット②:会社名と口座名義が一致する
個人口座を使っていると、契約書の会社名と口座名義が合わず、各種契約が結べないことがあります。法人口座なら、会社名義で統一できるため、契約手続きがスムーズです。
メリット③:公私の区別がはっきりする
法人口座を使うことで、会社のお金と個人のお金を完全に分けられます。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
- 経理業務が効率的になる
- お金の流れが一目で分かる
- 税務調査で問題が起きにくい
- 経営状況を正確に把握できる
メリット④:法人向けのサービスが利用できる
法人口座を開設すると、以下のような便利なサービスが使えるようになります。
- 法人用クレジットカード・デビットカード
- 総合振込・給与振込サービス
- キャッシュレス決済(QRコード決済など)の導入
- 口座振替サービス
- ビジネスローン・融資サービス
- 経営相談・ビジネスマッチング
メリット⑤:融資を受けやすくなる
法人口座を持っていると、銀行からの融資審査が通りやすくなります。特に、口座を開設している銀行からは好条件で借り入れできる可能性が高まります。
メリット⑥:取引先からの信頼が得られる
取引先の経理担当者は、会社名義の口座に振り込むことを好みます。個人名義の口座だと、経理処理が煩雑になり、取引を敬遠されることもあります。
メリット⑦:税金や社会保険料の自動引き落としができる
法人口座があれば、税金や社会保険料を口座振替で自動的に支払えます。支払い忘れや遅延のリスクが減ります。
メリット⑧:事業の透明性が高まる
法人口座を使うことで、すべての取引記録が残ります。税務署や取引先に対して、クリーンな経営を証明できます。
法人口座のメリット・デメリット比較表
ここまで解説してきた法人口座のメリットとデメリットを、分かりやすく表にまとめました。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 信用度 | 社会的信用が大幅に向上する 取引先からの信頼が得られる |
審査に落ちると信用を得られない |
| 費用 | 法人向けサービスが充実 融資が受けやすくなる |
月額3,000~15,000円程度の維持費がかかる 振込手数料が個人口座より高い |
| 開設の手間 | 事業の実態が認められた証明になる | 審査が厳しく、2週間~1ヶ月かかる 必要書類が多い(2~8点) |
| 資金管理 | 公私の区別がはっきりする 経理業務が効率化される 透明性の高い経営ができる |
複数口座の管理が必要になることも |
| サービス | 法人カード、キャッシュレス決済が使える 口座振替、総合振込が利用できる ビジネス相談サービスが受けられる |
一部のネット銀行では税金・社会保険料の自動引き落としに非対応 |
| 取引 | 会社名と口座名義が一致する 契約がスムーズになる |
窓口手続きに時間がかかる場合がある |
デメリットは主に「開設時の手間」と「維持費用」ですが、メリットは「信用度の向上」「効率的な経営」「融資の受けやすさ」など、長期的に見て大きな価値があります。
法人口座が必要な理由とは?
法律上、法人口座の開設は義務ではありません。しかし、実際には法人口座がないと事業運営に大きな支障が出ます。
法人口座がないと起こる問題
- 大企業や公共機関との取引が断られる
- 法人向けのキャッシュレス決済が導入できない
- 融資を受けにくい、または高金利になる
- 税務調査で公私混同を疑われる
- 経理業務が非効率で、ミスが起きやすい
- 取引先の経理担当者に手間をかけてしまう
このように、法人口座がないことで、競争力の低下や事業成長の妨げになります。キャッシュレス化が進む現代では、法人口座の重要性はますます高まっています。
デメリットを最小限にする銀行の選び方
法人口座のデメリットは、銀行選びで最小限に抑えることができます。ここでは、銀行の種類別に特徴を紹介します。
メガバンク(都市銀行)の特徴
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・社会的信用力が非常に高い ・高額融資に対応 ・全国で利用可能 ・海外送金も可能 |
・審査が厳しい ・手数料が高め ・開設に時間がかかる ・一定の事業規模が求められる |
主なメガバンク:みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行など
ネット銀行の特徴
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・手数料が安い(他行宛振込143円~) ・審査が比較的柔軟 ・開設が早い(最短即日~1週間) ・24時間利用可能 ・口座維持費無料が多い |
・メガバンクより信用度は低め ・対面相談が難しい ・税金・社会保険料の自動引き落としに非対応の場合あり |
主なネット銀行:GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、楽天銀行など
地方銀行の特徴
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・地域での信用度が高い ・地域密着のサポートが充実 ・地域の事業者は審査に通りやすい |
・利用エリアが限定される ・融資限度額が低め ・手数料がやや高い |
創業期や小規模事業者は、手数料が安く審査が柔軟な「ネット銀行」がおすすめです。ある程度事業が軌道に乗ったら、信用度の高い「メガバンク」の口座も追加で開設すると良いでしょう。
2025年最新!おすすめ法人口座の手数料比較
2025年の最新情報をもとに、人気の法人口座の手数料を比較しました。
| 銀行名 | 口座維持費 | 他行宛振込手数料 | 同行宛振込手数料 |
|---|---|---|---|
| GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 129円~145円 | 無料 |
| 三井住友銀行Trunk | 無料 | 145円 | 無料 |
| 住信SBIネット銀行 | 無料 | 145円~ | 無料 |
| PayPay銀行 | 無料 | 145円~ | 55円 |
| 楽天銀行 | 無料 | 150円~ | 52円 |
| みずほ銀行 | 無料(条件付き) | 495円~ | 165円~ |
※2025年11月時点の情報です。最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。
法人口座を作るならどこがおすすめですか?法人口座を開設するなら三井住友銀行 Trunkがおすすめです。口座維持費や同行宛て振込手数料が無料で、他行宛ての振込手数料も145円と業界最安水準です。
法人口座開設をスムーズに進める5つのコツ
審査に通りやすくするために、以下のポイントを押さえましょう。
- 事業内容を明確にする:会社案内やホームページで事業実態を示す
- 資本金を適切に設定する:極端に少ない資本金は避ける
- 本店住所を工夫する:バーチャルオフィスより実際のオフィスが望ましい
- 必要書類を完璧に揃える:不備があると審査が遅れる
- 複数の銀行に同時申し込み:1つがダメでも他で開設できる可能性がある
まとめ:デメリットを理解した上で法人口座を開設しよう
法人口座には、「開設の手間」「維持費用」といったデメリットがあります。しかし、それ以上に「社会的信用の向上」「効率的な資金管理」「融資の受けやすさ」といったメリットが大きいのが事実です。
特に、以下のような方には法人口座の開設を強くおすすめします。
- 大企業や公共機関と取引したい
- 将来的に融資を受ける予定がある
- キャッシュレス決済を導入したい
- 経理業務を効率化したい
- 取引先からの信頼を高めたい
デメリットは、ネット銀行を選ぶことで大幅に軽減できます。手数料が安く、審査も比較的柔軟で、開設期間も短いため、創業期の事業者に最適です。
法人口座を開設することで、事業の透明性が高まり、取引先や金融機関からの信頼も得られます。会社を長く続けていくためには、法人口座は必須と言えるでしょう。
まずは、自社の事業規模や必要なサービスを考えて、最適な銀行を選ぶことから始めてみてください。この記事が、あなたの法人口座選びの参考になれば幸いです。

