楽天銀行で法人口座を開くデメリットとは?メリットと比較してみた

法人口座の開設を検討している方の中で、楽天銀行の法人口座のデメリットについて詳しく知りたいという声を多く聞きます。楽天銀行は確かに手数料の安さや利便性で注目されていますが、実店舗がないことや取引先からの信用度など、いくつかの課題もあります。この記事では、楽天銀行の法人口座開設を検討している方に向けて、デメリットとメリットを詳しく比較・解説していきます。
楽天銀行の法人口座とは
楽天銀行の法人口座は、正式には「法人ビジネス口座」と呼ばれるサービスです。インターネット専業銀行として、オンライン上で完結する法人向けの銀行サービスを提供しています。
- 口座維持費:無料
- 開設方法:オンライン完結
- 最大口座数:20口座まで開設可能
- 対象:法人・個人事業主
楽天銀行法人口座の主なデメリット
楽天銀行の法人口座を開設する前に、しっかりと理解しておきたいデメリットをご紹介します。
1. 実店舗がないため対面相談ができない
楽天銀行の最大のデメリットは、実店舗を持たないネット銀行であることです。これにより以下のような問題が発生する可能性があります:
- 複雑な手続きについて直接相談できない
- システムトラブル時の対応が電話のみ
- 紙の書類手続きが必要な場合に不便
- 高齢の経営者や担当者には操作が難しい場合がある
2. 取引先からの信用度に影響する可能性
メガバンクや地方銀行と比較すると、楽天銀行の社会的信用度は低く見られることがあるのが現実です。特に以下のような場面で影響が出る可能性があります:
- 大手企業との取引開始時の審査
- 融資申請時の信用度評価
- 業界によっては取引口座として認められない場合
- 年配の経営者からの印象が良くない場合
3. 口座振替に対応していない場合がある
一部の公共料金や保険料などで、楽天銀行の口座振替に対応していないケースがあります。これは事業運営において以下のような不便さを生む可能性があります:
- 電気・ガス・水道などの公共料金の自動引き落としができない場合
- 保険料の口座振替ができない場合
- 他の銀行口座を併用する必要性
4. 楽天銀行間でも振込手数料がかかる
意外に思われるかもしれませんが、楽天銀行同士の振込でも手数料が発生します。これは他のネット銀行と比較してもデメリットとなる点です。
5. ログイン方法が限定的
楽天銀行の法人口座は、ブラウザでしかログインできないという制限があります。スマートフォンアプリでの操作ができないため、外出先での急な取引に不便さを感じる場合があります。
楽天銀行法人口座の主なメリット
一方で、楽天銀行の法人口座には多くの魅力的なメリットもあります。
1. 口座維持費が完全無料
基本機能の利用であれば口座維持費は一切かかりません。これは創業間もない企業や個人事業主にとって大きなメリットです。
2. 振込手数料が非常に安い
楽天銀行の振込手数料は業界最低水準です:
振込先 | 手数料 |
---|---|
他行宛(3万円未満) | 150円 |
他行宛(3万円以上) | 229円 |
楽天銀行宛 | 52円 |
3. 24時間オンライン対応
24時間365日、いつでも振込や残高確認が可能です。営業時間を気にせず、必要な時に即座に取引できるのは大きな利点です。
4. 来店不要で口座開設
オンライン完結で口座開設ができるため、忙しい経営者でも隙間時間に手続きが可能です。必要書類もウェブ上でアップロードできます。
5. 高還元率のビジネスデビットカード
楽天銀行ビジネスデビットカードは利用金額の1%をキャッシュバックする業界最高水準の還元率を誇ります。
- 年会費:1,100円(税込)
- 還元率:1.0%
- 最大発行枚数:9,999枚
- 与信審査:不要
6. 海外送金手数料が安い
海外取引がある企業には大きなメリットです。海外送金手数料は1,000円(非課税)と業界最低水準で、初期手数料もかかりません。
7. 豊富なATM利用可能
コンビニATMを含む多くの金融機関のATMが利用可能で、入出金の利便性が高いです。
他の銀行との比較
楽天銀行と他の主要銀行の法人口座を比較してみましょう。
銀行名 | 口座維持費 | 他行宛振込手数料 | 実店舗 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
楽天銀行 | 無料 | 150円〜229円 | × | 高還元デビットカード |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 145円〜 | × | 当日振込対応 |
PayPay銀行 | 無料 | 172円〜270円 | × | Yahoo!連携 |
三井住友銀行 | 2,200円 | 330円〜770円 | ○ | 高い信用度 |
楽天銀行法人口座はこんな方におすすめ
おすすめする方
- コストを抑えたい創業期の企業
- オンライン取引が多い事業者
- 24時間対応を重視する方
- 海外送金を頻繁に行う企業
- デビットカードの還元率を重視する方
おすすめしない方
- 対面サポートを重視する方
- 大手企業との取引が多い企業
- 融資を積極的に検討している方
- ITリテラシーが低い担当者がいる企業
- 銀行の信用度を重視する業界の方
楽天銀行法人口座開設時の注意点
楽天銀行の法人口座を開設する際は、以下の点に注意しましょう。
必要書類の準備
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 代表者の本人確認書類
- 事業実態を証明する書類
- 印鑑証明書
審査について
楽天銀行の法人口座開設には審査があります。事業実態が明確で、必要書類が整っていることが重要です。
- 事業計画書を詳しく作成する
- 事業用の住所を明確にする
- 代表者の信用情報に問題がないことを確認する
- 必要書類は最新のものを用意する
まとめ
楽天銀行の法人口座は、コストを抑えつつ効率的な口座運営を求める企業にとって魅力的な選択肢です。特に創業期の企業や、オンライン取引が中心の事業者にとってはメリットが大きいでしょう。
一方で、実店舗がないことによる対面サポートの不在や、取引先からの信用度の問題など、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
法人口座の選択は、事業の性質や規模、将来の計画によって最適解が変わります。楽天銀行の法人口座も含めて、複数の選択肢を比較検討し、自社のニーズに最も適した銀行を選ぶことが重要です。
- 事業規模と取引の頻度を考慮する
- コストと利便性のバランスを評価する
- 将来の事業拡大計画を考慮する
- 複数の法人口座を使い分けることも検討する
楽天銀行の法人口座を検討されている方は、これらのメリット・デメリットを総合的に判断して、最適な選択をしてください。
※この記事の情報は2025年1月時点のものです。最新の情報は楽天銀行公式サイトでご確認ください。