海外送金をする場合の法人口座の選び方とおすすめ銀行

法人口座での海外送金は、国際取引を行う企業にとって欠かせないサービスです。しかし、銀行によって手数料や為替レート、対応通貨が大きく異なるため、適切な選択が重要になります。この記事では、法人口座での海外送金に最適な銀行の選び方と、おすすめの金融機関について詳しく解説します。
法人口座での海外送金とは
法人口座での海外送金とは、企業が海外の取引先への支払いや、海外からの売上金の受取りを行うためのサービスです。個人の海外送金と比較して、送金限度額が高く設定されていることが特徴です。
法人口座での海外送金では、3,000万円を超える送金の場合、外国為替及び外国貿易法に基づく事後報告が必要になります。
法人口座の海外送金が必要な場面
- 海外の取引先への商品代金の支払い
- 海外駐在員への給与支払い
- 海外子会社への資金移動
- 海外からの売上金の受取り
- 海外の展示会参加費用の支払い
法人口座の海外送金における銀行選びのポイント
手数料の比較
海外送金では複数の手数料が発生します。送金手数料、為替手数料、中継銀行手数料、受取手数料などを総合的に比較することが重要です。
主な手数料の種類
- 送金手数料:銀行が徴収する基本的な手数料
- 為替手数料:通貨両替時に発生する手数料
- 中継銀行手数料:送金経路上の銀行が徴収する手数料
- 受取手数料:受取人側の銀行が徴収する手数料
為替レートの確認
銀行によって提供される為替レートは異なります。リアルタイムの市場レートに近いレートを提供する銀行を選ぶことで、送金コストを抑えることができます。
対応通貨と送金先
取引先の所在地や使用通貨に応じて、対応可能な銀行を選択する必要があります。主要通貨以外の送金を行う場合は、事前に確認することが大切です。
おすすめの法人口座対応銀行比較
ネット銀行部門
銀行名 | 送金手数料 | 為替手数料 | 特徴 |
---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 | 265円 | 0円 | 為替手数料無料、1営業日以内で送金 |
楽天銀行 | 1,000円 | 100円/米ドル | 定額送金手数料、52通貨対応 |
住信SBIネット銀行 | 2,500円 | 6銭/米ドル | 為替手数料が安い、高額送金対応 |
メガバンク部門
銀行名 | 送金手数料(ネット) | 送金手数料(店頭) | 為替手数料 |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 3,000円 | 7,500円 | 25銭/米ドル |
みずほ銀行 | 3,500円 | 7,500円 | 1円/米ドル |
三井住友銀行 | 3,000円 | 7,500円 | 50銭/米ドル |
特におすすめの法人口座3選
1. GMOあおぞらネット銀行
- 為替手数料が0円で業界最安水準
- 送金スピードが1営業日以内と高速
- Wise Platformを活用した効率的な送金システム
- 145通貨に対応
2. 楽天銀行
- 送金手数料が定額1,000円で分かりやすい
- 52通貨対応で幅広い取引先に対応
- 24時間365日オンラインで送金可能
- 法人ビジネス口座との連携がスムーズ
3. 住信SBIネット銀行
- 為替手数料が6銭と格安
- 高額送金に対応(最大5,000万円)
- 充実したサポート体制
- API連携によるシステム化対応
海外送金に必要な書類と手続き
基本的な必要書類
- 法人の本人確認書類(登記事項証明書など)
- 法人番号を確認できる書類
- 来店者の本人確認書類
- 取引の詳細を確認できる書類
- 送金依頼書
送金手続きの流れ
- 送金先情報の確認と登録
- 送金依頼書の作成・提出
- 必要書類の提出
- 送金資金の入金
- 送金実行と完了通知
手数料を抑えるためのコツ
送金方法の選択
インターネットバンキングを利用することで、店頭での手続きよりも大幅に手数料を削減できます。多くの銀行では、店頭手数料の半額以下で送金が可能です。
送金タイミングの最適化
為替レートの変動を考慮し、有利なタイミングで送金を行うことで、実質的なコストを抑えることができます。
代替サービスの検討
従来の銀行以外にも、Wiseなどの海外送金専門サービスを活用することで、さらなるコスト削減が可能です。
サービス名 | 特徴 | 適用場面 |
---|---|---|
Wise | 実際の為替レート使用、格安手数料 | 定期的な海外送金 |
PayPal | 迅速な送金、オンライン決済 | 小額の商品代金支払い |
Revolut | 多通貨対応、法人向け機能 | 複数通貨での取引 |
まとめ
法人口座での海外送金において、適切な銀行選びは事業のコスト削減に直結します。手数料の比較だけでなく、為替レート、送金スピード、対応通貨、サポート体制などを総合的に検討することが重要です。
特に、GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行は、それぞれ異なる強みを持っており、企業の送金パターンに応じて最適な選択が可能です。
また、海外送金の規制についても理解し、3,000万円を超える送金の場合は事後報告が必要であることを覚えておきましょう。効率的な海外送金により、国際取引をスムーズに進めることができます。
法人口座での海外送金を検討する際は、必ず複数の銀行で見積もりを取り、総合的なコストを比較することをおすすめします。また、送金頻度や金額に応じて、最適なサービスを選択することが大切です。
出典: ・GMOあおぞらネット銀行公式サイト
・楽天銀行公式サイト
・住信SBIネット銀行公式サイト
・財務省「外国為替及び外国貿易法に関するFAQ」
・各種金融機関の公表資料(2024年データ)