法人口座が作れない？！考えられる理由とその対策方法

法人口座が作れないという問題で困っていませんか？実は、法人口座の開設は個人の銀行口座を作るよりも厳しい審査があります。本記事では、審査に落ちる主な理由と、成功するための具体的な対策方法を分かりやすく解説します。

法人口座が作れない主な理由

1. 書類に不備がある

法人口座の開設で最も多い失敗理由は、必要書類の不備です。具体的には以下のような問題があります。

• 登記簿謄本や印鑑証明書の有効期限が切れている
• 申込書の記入内容と登記書類の内容が一致していない
• 代表者の本人確認書類が古い（旧姓のままなど）
• 必要書類が足りない

2. 事業内容が不明瞭

銀行側が「どんな事業をしているか分からない」と判断すると、審査に落ちる可能性が高くなります。これは、口座の不正利用を防ぐためです。

• 事業目的が20項目以上あり、何をしたいのか不明
• 具体的な事業内容の説明ができない
• 会社のホームページがない、または内容が薄い
• 事業実績を証明する書類がない

3. 資本金の問題

資本金が少なすぎる場合、実態のない会社（ペーパーカンパニー）と疑われる可能性があります。

4. 住所に関する問題

以下のような住所の問題も審査落ちの原因となります。

• 登記住所と実際の事業場所が異なる
• バーチャルオフィスで登記している
• 賃貸契約書がない、または家賃の支払い実績がない
• 自宅兼事務所で事業実態が確認できない

5. 代表者の信用情報

代表者の過去の金融取引に問題がある場合、審査に影響します。

• 過去に破産や債務整理の経験がある
• 銀行への返済で問題を起こしたことがある
• 反社会的勢力との関係が疑われる

審査に通るための対策方法

1. 必要書類の完璧な準備

まず、書類の準備を徹底的に行うことが重要です。

2. 事業内容の明確化

銀行担当者に事業内容を分かりやすく説明できるよう準備しましょう。

1. 主力事業を1つに絞って説明する
2. 具体的な商品・サービス内容を用意する
3. ターゲット顧客を明確にする
4. 収益の仕組みを説明できるようにする
5. 会社のホームページを充実させる

3. 事業実態の証明

会社が実際に事業を行っていることを証明する書類を準備します。

• 取引先との契約書
• 請求書や領収書
• 会社案内やパンフレット
• 許認可証（必要な業種の場合）
• 事務所の賃貸借契約書
• 固定電話の設置

4. 資本金対策

資本金が少ない場合は、以下の対策を検討しましょう。

• 可能であれば増資を検討する
• 資本金の出所を明確にする書類を準備する
• 代表者の職歴書で信頼性を補強する
• 事業計画書で将来性をアピールする

金融機関の選び方

審査基準の違いを理解する

金融機関によって審査基準が異なります。

初回開設におすすめの戦略

法人口座開設が初めての場合は、以下の順序で申し込むことをおすすめします。

1. ネット銀行で最初の法人口座を開設
2. 取引実績を作る
3. 地方銀行や信用金庫に申し込む
4. 最後に都市銀行にチャレンジ

申込時の重要なポイント

1. 担当者とのコミュニケーション

銀行担当者との面談では、以下を心がけましょう。

• 事業内容を簡潔に説明できるよう準備する
• 質問には正直に答える
• 将来のビジョンを熱意を持って語る
• なぜその銀行を選んだかを説明する

2. 紹介を活用する

可能であれば、以下のような紹介を受けることで成功率が上がります。

• 既存の取引先からの紹介
• 税理士や会計士からの紹介
• 商工会議所経由の紹介
• 取引銀行の担当者からの紹介

開設後の注意点

適切な口座管理

法人口座開設後は、以下の点に注意して適切に管理しましょう。

• 法人口座と個人口座を明確に分ける
• 定期的に残高と取引履歴を確認する
• 不審な取引があれば即座に銀行に連絡する
• 住所変更などの届出事項は速やかに手続きする
• パスワードの管理を徹底する

よくある質問

Q1. 資本金1円でも法人口座は作れますか？

法律上は可能ですが、実際は100万円以上あることが望ましいです。資本金が少ないと実態のない会社と疑われる可能性があります。

Q2. バーチャルオフィスでも法人口座は開設できますか？

バーチャルオフィス自体が問題ではありませんが、事業実態の証明がより重要になります。実際に事業を行っていることを示す書類を十分に準備する必要があります。

Q3. 審査にどのくらい時間がかかりますか？

金融機関によって異なりますが、一般的に以下の通りです。

• ネット銀行：1〜2週間
• 地方銀行・信用金庫：2〜4週間
• 都市銀行：1〜2ヶ月

まとめ

法人口座が作れない理由は主に、書類の不備、事業内容の不明瞭さ、資本金の問題、住所の問題、代表者の信用情報の問題に分けられます。これらの問題を事前に把握し、適切な対策を講じることで、法人口座の開設成功率を大幅に向上させることができます。

特に重要なのは、銀行担当者に事業内容を分かりやすく説明できるよう準備することです。複雑な事業内容も、どなたにでも理解できるレベルまで簡潔にまとめることで、審査通過の可能性が高まります。

初回の法人口座開設では、審査が比較的緩やかなネット銀行から始めることをおすすめします。最初の法人口座開設に成功すれば、その後の他行での開設もスムーズに進むでしょう。

松本瑛二

CMO

aboutha株式会社 CMO マーケティング統括を行いながら、自身の会社を2024年に立ち上げ。 "価値を正しく伝える"がモットー。 このサイトでは自身の会社立ち上げの際に法人口座の開設が大変だったことから、これから企業を立ち上げていこう、もしくは口座を新しく開設しようとお考えの方に向けてわかりやすく解説していきます。